紅茶アナリスト資格取得講座を受講される方、資格取得される方には、様々な方がいらっしゃいます。自分の店を持つ夢がある方、カフェ開業や紅茶専門店のオープンを目標とされている方。
Lesson21では、カフェや紅茶専門店の開業のために、どんなことから始めればよいのか、何が必要なのかなど、夢をかなえるために知っておきたいことを学習していきましょう。
開業のための準備 ~準備を始めるための準備~
「好き」を原動力にする
何かを始める際に最も大切なのは「好き」という気持ちに素直になることです。
「紅茶が好き」
「カフェが好き」
「お料理が好き」
「インテリアが好き」
「人と話すのが好き」
「人を喜ばせるのが好き」
など、「好き」という素直な気持ちはいろいろな事に対する原動力となり、また最初のこの気持を忘れなければ、たとえ困難なことが起こっても立ち向かう力となります。
「趣味」と「仕事」の違いをしっかりと認識する
「好きを仕事にする」という意識が生まれたら、「趣味」と「仕事」の違いを明確に認識することが大切です。「趣味」と「仕事」では、大きく異なる点が多々あります。
- 技術レベル
- 必要な資金
- 求められるクオリティー
- 継続していくための覚悟
- スタッフマネジメント
- 経営・宣伝などの「好き」以外の仕事・・・など
趣味と、それを仕事にして生計を立てることは大きく異なります。趣味は楽しいことだけを行えるので、飽きたり嫌になって途中でやめても誰にも何も言われることなく、また困ることも困らせることもありません。しかし仕事として始めれば、簡単に投げ出すことはできませんし、辛いことにも遭遇するでしょう。
その困難を乗り越えるためには、最初の確認した「好き」という気持ちと、自分の人生において夢を叶えたいという覚悟が必要です。スタートさせる前は「覚悟」と言われると難しく感じるかもしれませんが、その気持さえあればどんな困難もきっと乗り越えられ、困難以上のたくさんの喜びや愉しみ、やりがい、生きがいを見つけられるでしょう。
まずは、自分を見つめることから始めましょう。
具体的なイメージを持つためのリサーチ
紅茶がどんなに好きでも、カフェ経営やティールームの運営となると、紅茶を淹れたりティーフードを作る他にも多くの必要な要素があります。それらを具体的にイメージするために、リサーチを行うことはとても有効です。
イメージリサーチ①たくさんのお店をめぐる
一言で「紅茶が好き」と言っても、自分で淹れることが好きな方、茶葉を探すのが好きな方、ティールームでリッチな時間を過ごすのが好きな方など、いろいろな「好き」があります。
普段からお店によく行く方でも、お客として楽しむのか、開業という視点を持ってお店を訪ねるのかでも見え方が大きく変わります。ぜひリサーチノートを持ってたくさんのお店を巡ってみましょう。自分の好みのテイストのお店だけでなく、人気の店には意外な注目点もあるはずです。
そして、気がついた点や湧き上がるイメージをどんどん記していきます。またお店の人の許可を頂いてから、お店の写真や料理などを撮影し写真に残しておいてもよいでしょう。
リサーチノート項目例
- お店の名前・訪れた日時
- 立地や外観、アクセス
- 入った瞬間の雰囲気
- お客さんの数やスタッフの数
- テーブルや椅子の座り心地
- メニューの内容やメニュー表の書き方
- メニューのバリエーションやオリジナリティ
- 価格
- 注文の取り方などのスタッフの対応
- マスターがいらっしゃればその様子
- ドリンクやフードの盛り付け・味
- 気に入ったところは?
- 参考にしたいと思ったところは?
- 気になったところは?
- 反面教師にしたい点などは?
- もう一度訪れたいと思うか、それはなぜか・・・など
イメージリサーチ②ロールモデルとなるお店を見つける
たくさんのお店を巡っていると、だんだんと自分が居心地のよい空間のテイストや、人気のメニュー、お店による客層の違いやお客さんの様子、気に入ったインテリアなどが把握出来てきます。
その中でも総合して特に気に入ったお店を幾つかピックアップしたら、自分のお店づくりのためのロールモデルにしましょう。目標となるものを具体的に決めることは、新しいことを始めるにあたりとても有効な手段となります。
そのお店はどうして居心地がよいのか、どのような点を自分は気に入っているのか、お客さんが途絶えないのはなぜなのか、より深く考えていきましょう。何度も通ったり、長時間滞在してみるのもまた違った視点が生まれます。
ここで大切なのは、ロールモデルはあくまでロールモデルで、あなたが創りあげるお店はあなたの「オリジナル」であるということです。
人気のお店だからといってそのまま真似する必要はありません。人気のお店には人気の秘密や基本の要素がありますが、それはいくつもの要素がうまく組み合わさって出来上がっている化学反応のようなものでもあります。いいとこ取りをしたから大人気のお店になる、というものでもないのが、カフェづくりの難しいながらも面白い点です。
イメージリサーチ③実際にお店を経営している先輩に話を聞く
日本人は自分の夢やあこがれを口に出すことが苦手な人が多いですが、これはとても重要です。人に話すことで自分の中でも覚悟が決まり、また相談した人はあなたの夢の実現のために有効な手段を教えてくれたり、人を紹介してくれることもあります。
求めない人を助ける事はできませんが、口に出して本気で進み出せば、応援してくれる人はあなたが思っているよりもたくさんいるのです。
相談する相手として、もっとも有益な情報を教えてもらえるのはやはりその道に精通した人です。実際に今お店を経営していたり、紅茶を扱う仕事をしている先輩がいれば、ぜひ話を聞いてみましょう。外側からではわからない、生の声が聞けます。
知り合いにそのような方がいない場合には、ロールモデルとしたお店のオーナーに話を聞いてみることもできます。頻繁に訪れるあなたのことを、きっと相手も認識しているでしょう。大きな店舗の場合は少し違うこともありますが、小さなカフェやティールームのオーナーにもあなたと同じ、開業を夢見ていた、迷っていた時代があるのです。お仕事の邪魔にならないようにお話してもらうか、夢があること、相談したいことを正直に打ち明け、改めて時間を貰えるか聞いてみるのもひとつの手段です。

