世界の紅茶ブランドを知る
今や日本でも、世界中の紅茶を楽しめる様になりました。創業からの歴史や独自のこだわり、そのブランドだから楽しめるオリジナルブレンドなど、実際にブランドの名前を知っているけれど実は知らないことは多くあります。
気になるブランドは、ぜひ実際に自分の舌で味わってみましょう。
イギリスの紅茶ブランドⅠ
- トワイニング TWININGS
- リプトン LIPTON
- フォートナム&メイソンFortnum&MASON
- 東インド会社The East India Company
①トワイニング TWININGS
紅茶の国イギリスにおいて老舗中の老舗といえば、1706年創業の「トワイニング(TWINIGS)」社です。イギリスの紅茶の歴史は、トワイニング社の歴史といっても過言ではありません。
トワイニングの歴史
トーマス・トワイニングは、1706年、ロンドンのデュバリーコートに「トムズ・コーヒーハウス」を開きます。当時のアン女王を筆頭に、上流階級の女性たちに「茶」が流行していることを知ったトーマスは、紅茶に目を向け少しずつ品揃えを充実させていきました。
1716年には、茶・コーヒー・ココアの小売と卸売を専門に行う「ゴールデン・ライオン」をオープンさせます。コーヒーハウスは、女性の立ち入りが禁じられていましたが、ゴールデン・ライオンは、女性にも開放されたものだったため大成功をおさめます。ここに、トワイニング社300年の歴史の基礎が築かれました。
さらにその後、ヴィクトリア女王への献上をきっかけに王室御用達の栄誉を賜り、品質に磨きをかけていきます。300年の間、開業当時と同じ場所で、直系の子孫によって経営されているのもトワイニング社の特徴の1つです。
紅茶の特徴
トワイニングの紅茶の特徴は、常に「完璧な紅茶」を目指していることでしょう。
紅茶を扱うブレンダーたちは、トレーニングに5年間もの時間を費やしたプロフェッショナルであり、彼らが世界中の何千という茶園の茶を入念にテイスティングしチェックを行っています。品質や風味、味わいや色といったチェックを徹底的に行い、最終試飲において鑑定員の満足が得られたもののみが出荷される事となります。
また、トワイニングは独自のハーブとフルーツをブレンドした紅茶も展開しており、他にはないフレーバーティーレシピも楽しめることも魅力の一つです。日本でもよく知られたブランドの一つです。
②リプトン LIPTON
日本で初めて紅茶が販売されたのは1906年であり、それが「リプトン(LIPTON)」でした。以後、家庭に広まったあのイエローラベルを知らない人は日本にはいないでしょう。
リプトンの歴史
スコットランドのグラスゴーで食料品店を経営していたトーマス・リプトンが、1889年に紅茶を取り扱ったことがリプトンの歴史の始まりとなります。「農産物は生産者から直接買う」が、リプトンの経営方針だったこともあり、翌年にはセイロンで茶園経営をスタートさせました。
1892年の広告に記載された「茶園からティーポットへ(FROM THE TEA GARDENS TO THE POT)」のコピーは、その後のリプトン社のスローガンともなり、リプトンの発展はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いとなりました。
サーの称号とティーバッグへの取り組み
リプトンは慈善活動家でもあり、ヴィクトリア女王からは「サー(Sir = イギリスの叙勲制度でナイトに与えられる)」の称号を賜ります。さらに人々は、リプトンの功績をたたえ、新種のバラに「サー・トーマス・リプトン」という名前をつけます。
トーマス亡き後はアメリカのユニリーバ社に買収されましたが、現在でも約150以上の国々でイエローラベルは親しまれています。また、リプトンは、いち早くティーバッグの紅茶販売に取り組んだことや、斬新でユニークな広告を展開したことでも知られています。
③フォートナム&メイソン Fortnum&MASON
フォートナム&メイソンの歴史
ロンドンのピカデリーで小さな雑貨屋を営んでいたヒュー・メイソンのもとに、1705年、ウィリアム・フォートナムが下宿することになりました。フォートナムは、アン女王の従僕として働き始めます。宮殿の高級キャンドルの燃え残りを売ることによりひとつの財産を築いたフォートナムは、メイソンとともに、アン女王が日ごろ口にしたり使ったりしている高級食料や雑貨を扱う、「フォートナム&メイソン」のお店を開きます。
お店を開いた後もフォートナムは従僕として働き続け、上流階級の人々のニーズの把握に努めます。そこで始めたのが「宅配サービス」です。宅配の際に使用した「F&M」のロゴを付けたハンパーは人々の憧れとなり、やがてハンパーそのものも商品となったほどです。現在でも、フォートナム&メイソンの宅配ギフトは年間12万件以上の注文があるといわれます。
お茶は、上流階級の人々の注文に応じる過程で扱うようになったものの1つです。日本では「紅茶ブランド」としてのイメージの強いフォートナム&メイソンですが、扱う商品は紅茶だけではなく、高級食材や雑貨など多岐に渡ります。
イギリス本土のブレンドを味わえる紅茶
このフォートナム・メイソンの紅茶は、日本人に合うようにブレンドはされておらず、イギリス本土でブレンドされた紅茶がそのまま日本で提供されています。
代表的な商品は「英国紅茶の伝統」とも呼ばれる「ロイヤル ブレンド」です。コクのある味わいと上品な香りが特徴で、ストレート、ミルクどちらにも合います。
④東インド会社 The East India Company
東インド会社の歴史
エリザベスⅠ世の勅命により1600年に設立され、イギリスに初めて紅茶をもたらした会社です。その規模と経済力は、世界を席巻し歴史に名を残すこととなりました。ダージリン紅茶も、この東インド会社が起源とされています。
歴史の波にのまれ1876年に解散しましたが、当時の紋章などを引き継ぎ1978年に新しく発足させたものが、現在のブランドとなっています。
紅茶の特徴
17世紀当時の伝統的なブレンドを再現しているところが大きな特徴です。スリランカやインド、中国などから世界最高品質の茶葉を提供しています。
柑橘系の香りが特徴的のオリジナルブレンド「スタントン アールグレイ」が代表的な商品です。この紅茶はイギリス人向けに作られたこともあって、ミルクティーによく合い、イギリス流スタンダードの強い香気と渋みが少なく優しい味わいがリラックスさせてくれます。ストレートで明るい鮮やかなオレンジ色の水色を楽しむこともできます。
高級感にあふれるクラシカルなパッケージデザインで、ギフトとして人気が高いブランドです。
