Lesson7-5 紅茶ブランド・フランスⅠ

フランスの紅茶ブランド

  • フォション FAUCHON
  • マリアージュ フレール Mariage Frères
  • エディアール HEDIARD
romantitov/Shutterstock.com

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①フォション FAUCHON

フォションの歴史

1886年、オーギュスト・フォションがフランスのマドレーヌ広場にオープンした小さな食品店が始まりです。

特徴

紅茶へのこだわり

厳選した茶園でも、作柄が悪ければその年の生産は見送ったり、容赦なく茶園を変更したりするという厳しい一面でも知られます。

フォションには四季の紅茶があることで有名です。春は「ラズベリー」、夏は「マンゴー」など、旬の花や果物で季節感を演出した特徴的な香りの紅茶が5種類あります。

フォションの代表的な商品はやはり「アップルティー」。フォションと言えば、アップルティーと言われるほどにまで成長し、ブランドの代名詞ともいえる紅茶です。このアップルティーは、スリランカの深いコクと豊潤なりんごの甘い香りがとても魅力的な紅茶で、アップルティーの愛好家には絶大な支持を集めています。

現代でも人気の高い高級食材の品揃え

コンテンポラリーな独創性に優れているのが特徴で、世界中から厳選した旬の素材を、最高の技術で加工するという姿勢を貫いています。創業当時から、「この店でしか手に入らない」ということにこだわり高級食材の品ぞろえに力を尽くしてきた結果、「おいしいものなら手に入らないものはない」と評判となりました。今でも、紅茶、ジャムなどの定番のほか、ケーキ、惣菜など美食の数々でも有名です。

FAUCHON

② マリアージュ フレール Mariage Frères

マリアージュ フレールの歴史

ルイ14世に遣えたマリアージュ家の兄弟アンリとエドゥアールが1854年に紅茶の専門店を開きました。マリアージュ家は17世紀にルイ王朝の使節の一員となって東洋に赴き、フランスに最初の茶貿易の会社を開いた一家です。

マリアージュフレールは、その子孫であった二人が伝統と技術を受け継いで創設したフランス紅茶の老舗です。

特徴

世界中の豊富な銘柄を揃えるマリアージュフレールでは、茶葉の量り売りをしています。高品質のダージリンや、ビルマやタイなどの珍しいお茶、フレーバードティーを含め、茶葉の種類は500以上のラインナップがあります。

中でも、甘い花と果物の香りの「マルコポーロ」は傑作といわれ、マリアージュ フレールの代名詞となっています。この紅茶は、口当たりの良さと円熟したフルーティーな甘い香りが、とても魅力的な中国茶を使ったフレーバードティーです。世界中の紅茶の愛飲家達に絶賛されているロングセラーです。

お茶を「魂の飲み物」と位置づけ、現在ではフランス流紅茶芸術として茶器なども提供しています。

Mariage Frères

③エディアール HEDIARD

エディアールの歴史

創業150年のフランスの老舗の一つです。

1854年、マドレーヌ広場にフェルディナン・エディアールが開いた高級食料品店は、植民地からのフルーツや香辛料、紅茶などを販売し、パリの食通たちに評判となりました。特に、フランスにパイナップルを最初に輸入して、文豪デュマに送ったエピソードは有名です。やがて、ヘミングウェイ、ピカソなどの芸術家や、フランスの歴代大統領が顧客として名を連ねるまでに至りました。

特徴

紅茶へのこだわり

「上品でクラシック」なエディアールの紅茶は、茶葉のラインナップだけでも100種を越えています。一流のブレンダーが厳選した茶葉をブレンドすることにより、高い品質を維持しています。

エディアールの代表的な紅茶は、定番の人気商品「エディアール・ブレンド」です。シチリア産のベルガモットで風味を加えた傑作といわれ、フレーバードティーの元祖ラプサンスーチョンと同じ、中国産の茶葉を使用していることが特徴です。香りが魅力的なこの茶葉はストレートティーが最適です。

食料品店として唯一のコルベール委員会

現在は、紅茶の外にも、コーヒー、ジャムをはじめ、ワインやスパイス、惣菜、お菓子なども扱っています。食料品店としては唯一、フランスの芸術品を広める目的で設立された「コルベール委員会」に選ばれています。