フランスの紅茶ブランドⅡ
- ル・パレデテ Le palais des thés
- ダマン・フレール DAMMANN FRÈRES
- ダロワイヨDALLOYAU
④ル・パレデテ Le palais des thés
ル・パレデテの歴史
ル・パレデテとは「茶館」を意味します。1897年、パリの左岸モンパルナスで、50人のお茶の専門家や愛好家が、質の高いお茶を求めて自らの会社を設立したのがはじまりです。
特徴
現地に直接赴き、プランテーションでの労働環境、農法、衛生や安全規範を監視することにより、茶園の人々との信頼と友好を築き、そのうえで紅茶を生産することを企業理念としており、フェアトレードにも力を入れています。
ダージリンなどのスタンダードな茶葉のほかに、フレーバードティーのラインナップも充実しています。また、緑茶と紅茶のブレンドなども新しい試みを行っています。
また、中国やインドネシア、ベトナムなどのアジア産の茶葉をはじめ、世界中の茶葉のブレンドが楽しめることも大きな魅力の一つです。香りづけには特にこだわりがあり、花びらやフルーツチップなど、全て天然のエッセンスで香りづけされています。
中でもシッキムにある「テミ農園」の名前がそのまま商品名となっている「テミ」は、花のような優しい香りが印象に残る紅茶です。水色は珍しいライトブラウン。その味わいは上品で、さわやかなフルーティーな香りを楽しむことができます。
⑤ダマン・フレール DAMMANN FRÈRES
ダマン・フレールの歴史
ダマン・フレールは、1692年にルイ14世からフランス国内での紅茶独占販売権を許可されたことから始まります。フレーバーティーを開発し、フランス紅茶文化を牽引してきた存在としても有名で、フランスの紅茶文化を体現するブランドです。
上流階級の嗜好品であった紅茶を市民にも普及させ、多彩な紅茶の楽しみ方を提案してきました。
特徴
ダマン・フレールの地位を確固たるものとしたものの一つが、イギリスのアールグレイをフランス風にアレンジしたフレーバーティー「グールース」です。赤と黒を基調とした重厚で美しいパッケージにも人気があり、その柑橘系の上品な香りは今尚、人々を魅了してやみません。パッケージには「No.1」の数字が表記されており、根強い人気を物語ります。
その他には、中国の緑茶に南国のパッションフルーツやパイナップルなどで香りづけをしたという斬新な商品(「オリエンタル(No.2)」)や、赤スグリやラズベリーなどの赤いフルーツで香りづけを行った商品(「レッドフルーツ(No.4)」)なども人気です。
⑥ダロワイヨ DALLOYAU
ダロワイヨの歴史
ダロワイヨは、パリに本店を構えるフランス菓子と高級デリカテッセンの老舗です。創業は、ナポレオン統治下の1802年にまでさかのぼります。
特徴
日本ではマカロンなどのスイーツでも有名でが、「食のオークトチュール」という、食を芸術の域にまで高め創造性とともに伝統を重んじる姿勢は、各界の有名人たちを魅了し、さまざまなフランス文学の中にも店の名前が登場しました。
良質なセイロンと個性派の紅茶
ダロワイヨの紅茶は、種類こそ多くはありませんが、ストレートで味わうのに適した良質な紅茶であるといわれます。最も人気のある「セイロン」は、厳選されたスリランカの茶葉を使用し、水色が美しくて飽きのこない味わいと落ち着いた香りが特徴的です。
また、セイロン茶にリンゴの香りをつけた「ポンム」、レモンとオレンジといった柑橘系の香り「ダロワイヨブレンド」、マスカットの豊潤な香り「ダージリン」など、個性的な紅茶も人気を集めています。
ダロワイヨの紅茶は、日本では限定的にしか販売されていません。少し残念ですが、もし機会があればぜひ味わってほしいものの一つです。