Lesson16-10 紅茶と食べ物の相性

紅茶と料理のペアリング

たくさんのティーフードレシピをマスターしたら、次に押さえておきたいのは「紅茶と料理の相性」です。紅茶やお菓子、料理との相性を考え組み合わせることをペアリングと言います。

ティーフードは基本的に紅茶と相性のよいレシピとなっていますが、紅茶の中でも特に合う茶葉や、飲み方については一定の法則がありますので、その組み合わせの基本を修得しましょう。

Africa Studio/Shutterstock.com

Africa Studio/Shutterstock.com

ペアリングをマスターする

主役は紅茶?食べ物?

主役を紅茶にするか、それとも食べ物にするかでも、選び方が変わってくるでしょう。これはシーンにより柔軟に選んでください。

例えばアフタヌーンティーなどお茶会を開催した時や、一人でゆったり紅茶を楽しみたい場合には紅茶を主役に考えます。また、朝食や夕食など食事がメインの場合にドリンクとして紅茶を合わせたい時には、料理を主役にし、その料理の美味しさを引き出す紅茶を選ぶようにしましょう。

ティーマリアージュの法則

①紅茶の風味を活かせるよう、食べ物は自己主張の少ないものを選ぶ

紅茶の味わいやフレーバーは繊細であり、合わせる食べ物の個性や主張の強いものと合わせると、せっかくの香りや味が隠れてしまいます。そのため紅茶を最大限に活かすためには、同じように繊細な味のもの、自己主張の少ないものを選ぶのが一つ目のポイントです。

例えば、スコーンやクッキーなどはプレーンを選んだり、料理でもこってりしていないものを合わせてみましょう。

②あっさりと濃厚のバランスを取る

紅茶と食べ物をセットで考え、片方をあっさり、もう片方を濃厚にしてバランスを取る組み合わせです。紅茶か食べ物どちらかがあっさりしているものであれば、もう片方は濃く、味がしっかりとしたものを選んでみましょう。

例えば、ティーフードを濃厚なクロテッドクリームをたっぷり付けたスコーンや洋酒やドライフルーツがたっぷりの濃厚なクリスマスプディングにするならば、紅茶はあっさりとしたストレートティーにする、さっぱりとした薄味のビスケットには、濃厚のセイロンミルクティーを合わせる、などです。

③あっさりにはあっさりを、濃厚には濃厚をあわせる

繊細な香りのお茶にはソフトな味わいの食べ物、強いコクの紅茶にはしっかりとした味の食べ物をあわせる組み合わせです。イギリスでティーハウスやホテルのティールームマネージャーにアンケートを取ると、この組み合わせとなるチョイスが多かったという結果もあります。

例えば、ストレートで楽しみたい爽やかなラプサンスーチョンには、レモンシャーベットなどのあっさりとしたスイーツをあわせると双方の良い点を引き出し、軽やかなマリアージュを楽しめます。

反対に、適度なコクと渋みがあるアッサムやケニアと、濃厚なチョコレートケーキやローストビーフ、スモークチーズなどの組み合わせは、互いの癖の強さが打ち消されリッチなマリアージュを堪能することができます。

④相性のよい食材をプラスする

紅茶と料理の双方に、相性のよい食材をプラスして組み合わせを楽しむ方法です。

例えば、アップルティーにシナモンパイ、スパイスを効かせたチャイにこちらもスパイスをプラスしたりんごや梨のコンポート、ベリーのフルーツティーにラズベリージャムがおいしいヴィクトリアンサンドイッチなど、共通の食材や相性のよい食材をプラスすることで、紅茶と料理の組み合わせの相性もぐっと高まります。

⑤紅茶の特性を活かしてペアリングする

紅茶自体が持つ特性を考えてペアリングする方法です。

例えばアッサムは、ミルクティーにするとその美味しさが引き出されるように、濃厚さや乳製品との相性が良い茶葉です。そのため、合わせるティーフードもバター系のフィナンシェやクリーム系など濃厚なものとの相性がよく、この場合にはアッサムはストレートでも楽しめます。

またニルギリはフルーツ系のアレンジティーによく用いられるように、果物との相性がよい紅茶です。フレッシュなフルーツがたっぷり乗ったタルトや、さわやかなレアチーズタルトなどと合わせると、互いのよい面を引き出せるペアリングとなります。

その他、中国系の茶葉などは日本と近しいルーツと文化を持つことから、あんや和菓子とのペアリングを楽しむ事できます。

紅茶の種類と食べ物の相性

それぞれの茶葉と、様々な料理の特徴により、相性のよい組み合わせがあります。下記表を参考に、実際に自分の舌で確かめてみましょう。

  • B = Black Tea (ストレート) 
  • M = Tea with Milk  (ミルクティー)
  • I = Iced Tea (アイスティー)

紅茶と食べ物1−2

紅茶と食べ物

組み合わせや相性にはある程度の法則はありますが、その感じ方は人それぞれに異なります。知識のみで決めつけることなく、実際に自分の舌で確かめて記録をつけたり、他の人の意見も聞いてみるなど柔軟に楽しみながら、自分の感覚を大切しましょう。