ヌワラエリア Nuwara Eliya
ヌワラエリアは、スリランカの茶の栽培地としては最も高い標高の地域です。ここには、スリランカ最高峰のピドルタラガラ山(2524m)があります。
気候
日中の日差しは強く、夜間は逆に急激に冷え込みます。そこに乾いた風が吹くことで独特の香味を醸し出す紅茶を作り出します。
産地の歴史
茶の生産が行われるようになったのは、19世紀の半ばからのことです。かつてはイギリス人のリゾート地としても栄え、「リトル・イングランド」とも呼ばれました。今でも英国風の建物や施設が残り、当時の俤を伝えます。
製法
紅茶は年間を通して生産されます。冷涼な地域なので発酵がなかなか進まないという環境上の違いが、他の地域とは少し異なる製造方法を生み出しました。オーソドックス製法が主流ですが、ローターベイン切揉機などを利用するセミ・オーソドックス製法も行われています。
- クオリティーシーズン:年2回、1~2月、6~7月
- 発酵がやや浅いため茶葉は緑色がかった明るい褐色
- 水色は淡いオレンジ色
- 緑茶のようなさわやかな渋みとコクのある味わいに、グリーン・ノートと優雅な花の香りがあるのが特徴
- ストレートやミルクティーがお勧め
ヌワラエリアの主な茶園
◆ラバーズリープ茶園
その標高は1680m、ラバーズリープはヌワラエリアの茶園の中でも最も標高の高いところにあります。常に質の高い紅茶が作られていることで定評がある茶園です。
ラバーズリープという名前は、愛を成就できなかった若者が、断崖から身を投げたという悲しい恋物語があり、その物語にちなんで「恋人の飛翔(Lover’s Leap) 」という名前がついたそうです。
ハイグロウンティーのため発酵が抑えられているのが特徴で、茶葉には青みがあり、水色は明るいオレンジ色で、渋味は比較的弱いマイルドな味わいです。ラバーズリープ茶園は、ヌワラエリアでも屈指の有名な茶園で、そのすがすがしく花のような華やかな香りと、上品で繊細な味わいは、「セイロンティーのシャンパン」とも呼ばれています。
◆マハガストット
1870年創業、ヌワラエリアを代表する茶園の一つです。ラバーズリープ茶園の隣にあり、花のような甘い香りとみずみずしい爽やかな香り、緑茶のようなさっぱりとした飲み口といった、よく似た特徴を持っています。
水色は、明るいオレンジ色で、渋味もそれほど強くはありません。また、ヌワラエリアらしい上品な味わいには定評があり、最高級品といわれます。

