雲南 Yunnan
雲南省は中国南西部に位置し、ミャンマー、ラオス、ベトナムと接しています。雲南を「滇(てん)」と略することがあることから、雲南の紅茶を「滇紅(てんこう)」と呼ぶこともあります。
茶の生産が行われているのは雲南省の南側、標高1000~2000mの山間部です。
気候
雲南省は起伏に富んだ地形で、気候も地域によって大きく異なります。茶の生産地では、インド洋から吹き付けるモンスーンの影響を受けるため、季節は11~4月の乾季と5~10月の雨季とに分けられます。
亜熱帯に属するので、気候は1年を通じて15~20℃と温暖ですが、昼夜の寒暖の差が激しく、10℃ほどの開きがあることもあります。
産地の歴史
そもそも雲南省は、プーアール茶(緑茶を菌により発酵させた黒茶の一種)の産地、集積地でした。南部のシーサーパンナからラオス国境、ミャンマーやアッサムにかけての山間部は、茶樹の原産地とも考えられているところです。
この地では、1700年以上も前から自然に繁茂した茶樹を利用して茶の生産が行われていましたが、紅茶の生産に着手したのは19世紀末になってからのことです。
春摘みが上質な雲南大葉種
茶樹は、雲南大葉種と呼ばれるアッサム種に近い種です。アッサム茶と似ていますが、アッサムほどの強さはなくソフトな柔らかさがあります。
3~4月の春摘み、5~7月の夏摘み、8~9月の雨季、10~11月の秋摘みというように、3月~11月にかけて生産されます。中国種より大きな葉と大きな芽を「1芯3葉」で摘み取って作りますが、仕上がりの時は黄金色の茶芽がみられます。春摘みのものが上質とされます。
製造は基本的にオーソドックス製法ですが、一部でCTC製法も見られます。
- 茶葉の外観は、黒褐色で明るい色合いのチップが入っているのが特徴
- 水色は、赤褐色からオレンジ色
- ほのかな甘みとやわらかな渋みがあり、強めのコクと独特のスパイシーな香り
- ストレートでもミルクティーでもおいしい

