アメリカで生まれたアイスティーは、夏の飲み物として欠かせないものとなりました。素敵なグラスを用意して、見た目にも涼やかなアイスティーを作ってみましょう。
アイスティーの淹れ方
アイスティーにはいくつかの淹れ方がありますが、ホットティーと同様に熱湯で紅茶のエキスを抽出するのが基本です。
オンザロック方式
ホットティーを氷で急冷するオンザロック方式は、アイスティーの最もシンプルな淹れ方です。氷が溶けて紅茶液が薄まるため、2倍の濃さのホットティーを作るようにします。
① お湯を沸かす
汲みたての水を、硬貨(5円玉)大の泡がポコポコという音をたてはじめるまで沸騰させます。熱伝導のよいやかんや、加熱が早く沸騰のタイミングがわかりやすい電気ケトルも使用しやすいでしょう。
② 茶葉を入れる
あらかじめ温めていたポットに茶葉を量って入れます。ティーカップ1杯分=ティースプーン1杯(2.5~3g)を基本の量とし、人数分入れます。
③通常の半分の量の熱湯をポットに注ぐ
2倍の濃さの紅茶を作るため、通常の半分の量の熱湯(茶葉1杯分につき約80ml)を手早くポットに注ぎます。濃い紅茶液を作ることが大切なので、お湯の量は正確に測ること、沸騰したてのお湯を勢いよく注ぐことがポイントです。
④蒸らす
マットを敷き、すぐに蓋をしてポットをティーコージーで保温します。ホットティーよりも少し短めの時間(2分ぐらい)で蒸らすのがポイントです。
⑤別の容器に移す
蒸らし時間がおわったら、スプーンで茶葉をほんのすこし軽くまぜ、ストレーナーや茶こしを使って別の容器へ移し替えます。
⑥砂糖を加える
グラニュー糖などの甘味を加える場合には、この段階で加えます。糖分を加えることで、クリームダウン(下記参照)の予防策ともなります。
⑦グラスに注ぐ
砕いた氷をグラスにたっぷりと入れて、熱い紅茶液をグラスの7分目あたりまで一気に注ぎます。急冷させることでクリームダウンを防ぐことができます。
⑧全体をかき混ぜる
マドラーで軽く混ぜて十分に冷やします。氷が解けるのでさらに氷を2~3片追加して入れ、グラス8分目ぐらいにくるように仕上げて完成です。
ダブルクーリング方式
この方法で作ると、半日程度常温保存ができます。カフェなどでは、アイスティーはよくこのダブルクーリング方式を用います。
2倍の濃さの紅茶液をつくるところは、オンザロック式と同様です。冷蔵庫に入れてしまうとクリームダウンを起こしやすくなりますので注意してください。飲む直前に氷を入れるようにしましょう。
オンザロック式アイスティーのいれ方①~④までは同じ。
⑤広口の容器に移して冷やす
氷の入った広口の容器に、一気に紅茶液を注ぎ、さっとかき混ぜて冷やします。
⑥別のポットに移し替えて完成
手早く氷を取り除き、別のポットに移し替えます。冷蔵庫に淹れるとクリームダウンを起こす可能性があるので、このまま常温保存が可能します。飲む直前に氷を入れるようにしましょう。
その他の淹れ方
アイスティーには、オンザロック方式やダブルクーリング方式の他に、茶葉に水を入れ45~120分ほど常温でおいておく「水出し方式」、濃さ4倍程の濃い紅茶液を作り、そこに水と氷水、最後に氷を加えて段階的にひやしていく「段階冷却方式」などがあります。
水出し方式ではまろやかな味に、段階冷却では深い色合いとコクが楽しめるアイスティーとなります。
アイスティーを美味しく淹れるためのポイント
クリームダウン
クリームダウンとは、熱い紅茶を冷やした際、茶葉のタンニンが白く結晶化し濁ってしまう現象です。飲んでも特に害はなく、ミルクを入れてしまう場合には気になりませんんが、アイスティーならではの清涼感や透明感が失われて見苦しくなってしまうので、美しい水色を楽しみたい場合には、避けたい現象です。
クリームダウンを防ぐポイント
①一気に温度を下げ、その後温度を保つ
徐々に冷やすとクリームダウンが起きてしまいます。フレーバーと味わいを活かして透明なままアイスティーを楽しむためには、一気に温度を下げたらその温度を一定に保つことが大切です。
②タンニンの少ない茶葉を使用する、またはタンニンの抽出を抑える
クリームダウンの原因はタンニンなので、そもそもタンニンの少ない茶葉を使用する、またタンニンの抽出を抑えることでクリームダウンを防ぐことが可能です。タンニンが少ない紅茶としてはセイロンティーが有名ですが、そのなかでも特に下記はタンニンが少なくなっています。
- ディンブラ
- ヌワラエリヤ
- キャンディ
- ニルギリ・・・など
ただ、タンニンは紅茶の美味しさの要素でもあるため、抑えすぎると味もフレーバーも失われてしまうため注意が必要です。
③糖分を加える
紅茶液を冷やす前に糖分を加えると、クリームダウンがおきにくくなります。
この他、④蒸らし時間を短くする、⑤ポットに紅茶を移し替える時にアイスティーの場合には最後の一滴まで注ぎ切らないなどのポイントを抑えるとよいでしょう。
クリームダウンが起こった場合には・・・
クリームダウンが起こり白く濁った場合は、少量の熱湯を紅茶に注ぐことで、再び澄んだ水色となります。

