紅茶は、茶園にある工場で加工、等級分けを行った後にバルク詰めされて輸入されます。かつては木箱が用いられていましたが、環境保護の観点から、現在では内側がアルミの多層クラフト袋が用いられています。

小袋には20～35㎏、大袋には40～65㎏の茶葉が詰められ、20〜40袋ごとに1ロットとして集荷地に集められて買い手がつくのを待ちます。

紅茶の売買は、その多くがオークションによって取引されます。かつてはロンドンなどの消費地で行われていましたが、最近はコルカタ（インド）やコロンボ（スリランカ）などの生産地で行われています。集められた紅茶は、毎週オークションによって取引されます。

 

ティーオークション

オークションの仕組みは少し複雑です。

まず、茶園から採取されたサンプルをブローカーに渡します。ブローカーはこの紅茶を鑑定し、その後、買ってもらえそうなバイヤー（これをシッパーといいます）を見つけてサンプルを渡します。シッパーとは、買い付けから船積みまでを代行する業者のことです。シッパーは、今度は海外のバイヤーにサンプルを送り、注文を待ちます。

バイヤーは鑑定してそれぞれに必要な紅茶をシッパーに注文します。注文を受けたシッパーは、いよいよオークションに参加します。オークションでよりよい条件で買い付けるためには、シッパーの能力が発揮されます。シッパー同士のさまざまな駆け引きが行われるため、オークションでは時には思いがけない高い値段がついたり、その逆に非常に安い値段が付けられたりすることがあります。

公正な取引ではありますが、性質的にはギャンブル的な要素も備えています。

 

その他の購入方法

プライベートセール

こうしたオークションに対して、オークションにかけられる前にブローカーから直接買う方法もあり、これはプライベートセールと言われます。買い手の都合による購入なので値段は高くつきますが、よい品質のものを入手できます。

ダイレクトセール

また、ダイレクトセールといって、生産者との直接交渉で購入する方法もあります。これは、大量に確保したいときなどに用いられますが、生産者との交渉には、時間や手間がかかります。

フォワードコントラクト

紅茶を生産する前に生産者と契約して買うフォワードコントラクトという方法もあります。有機栽培などこだわりの生産をする場合などに用いられますが、現物を鑑定して買う方法に比べて、生産前に契約を結ぶこともあり、生産者との信頼関係がないとリスクが伴う難しい方法でもあります。

このようにして取引された紅茶が、それぞれの会社でブレンドされたりさらに加工されたりして、店頭に並びます。

 

店頭での購入ポイント

市販されている紅茶は、アルミパックや缶入り、または箱入りなど、さまざまな形態で売られています。購入する際は、産地や等級などの品質がわかるものを選ぶようにします。また、製造年月日が新しいものを選び、量り売りのお店で茶葉を購入するときには、2週間程度で飲みきれる量にするのがベストです。価格は茶葉のシーズンなどによっても変化することがあるため、機会がある度に足を運べるとよいでしょう。

最近は豊富な品ぞろえの専門店も増え、日本でも様々な紅茶を楽しむことが可能です。産地の情報なども含め、知識を修得するまでの間はスタッフの方に質問しながら好みの紅茶を購入するとよいでしょう。修得した知識を確かめながら茶葉選びすることも楽しみの１つとなります。

 

 

紅茶の保存

保存期間

紅茶にも賞味期限があり、美味しく楽しむためにはしっかり把握しておくことが大切です。

多くの場合保存期間はパッケージにも記載されていますが、開封前の缶入りリーフティやアルミの袋に入っているものは約3年、開封したあとは3ヶ月程度です。ティーバッグなどの場合には、未開封で2年、開封後は2ヶ月程度が目安となります。

賞味期限切れになった紅茶を飲んでも、特に害はありませんが、やはり鮮度が良いものと比較すると香りや味は格段に変わります。茶葉はこまめに購入するようにし、早めに楽しみましょう。

保存方法

紅茶を保存する際に最も影響が大きいのが、高温、湿度、そして光です。

紅茶の製造方法でも学習したように、紅茶には水分がほとんど含まれていないため、湿気の多い場所ではあっという間に湿気を吸収します。必ず密封容器に入れ、日が当たらない風通しの良いところで保管するようにします。また、臭いもつきやすいため、冷蔵庫や香りの強いものの近くには置かないようにします。

Lesson１のまとめ

確認テストで学習した内容を確認し、知識を定着させましょう。
ここからLesson１の確認問題を行うことができます。