Lesson18-2 ティーテイスティングの実践

Lemusique/Shutterstock.com

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美味しい紅茶を選ぶためのティーテイスティングを修得しましょう。

紅茶の種類は無数にあるため、全てを記憶しようとすることは困難ですが、系統により味・香り・水色(すいしょく)などの特色を知っておくことで、紅茶選びも実践的に、楽しんで行うことができます。

紅茶アナリストのティーテイスティング

前ページで学習したような職業として紅茶の鑑定を行っている人たちのテイスティングは、味・香り・水色について紅茶を口に含んみ飲まずに吐き出して鑑定します。しかし、紅茶アナリストとして行うテイスティングは、紅茶を楽しむために修得する技術です。そのため、少しずつ飲みながら味・香り・水色をじっくり堪能し、吟味してみましょう。

 

テイスティングの3つの要素

①紅茶の香り

紅茶はよく花の香りにたとえて表現されます。それにより紅茶のフレーバーは花香とも言われます。特に標高の高いところで栽培されているダージリン、ヌワラエリア、ウバなどの茶葉は、非常に良い香りを備えており、香りを楽しむ紅茶として適しています。

②紅茶の味

味については、渋み・甘み・苦み・エグみといった表現を用います。紅茶の美味しさにはいくつかの要素がありますが、紅茶にとって程よい渋みは評価の対象とされます。これは紅茶のタンニンによりもたらされます。

③紅茶の水色

カップに注いだ紅茶液を水色(すいしょく)といいます。

水色は、明るいオレンジから濃い紅色まで様々な色味を持ちますが、これは発酵の過程で生成されるテアフラビンテアルビジンという成分によるもので、その含有量により水色が変化します。製造過程での酸化・発酵の度合い、紅茶の産地、製造法などによって、これらの成分の量は異なります。

色みについては透明感があるものが望ましいとされています。

 

テイスティング用語

テイスティング①

テイスティング②

 

ティーテイスティングの実践

◆準備

  • テイスティングする茶葉数種類:3g(ティースプーン1杯)ずつ
  • ティーテイスターカップ
    *ティーテイスターカップはテイスティングのための専用のカップです。紅茶専門店や通信販売などでも気軽に購入できるので、テイスティングのためいくつか揃えておおきましょう。

◆紅茶液を抽出する

  1.  茶葉の分量をはかります。茶葉の量はティースプーン1杯(3g)です。茶葉は、グレードが異なっても同じ量を使います。ゴールデンルールにそって、各茶葉「3g・3分(OPは5分)・150cc」の同じ条件で茶液を抽出していきます。
  2.  お湯を沸かします。新鮮な水道水を用い、たっぷりと酸素が含まれるようにしましょう。
  3. 100℃の熱湯を抽出用のカップの高い位置からお湯を注ぎ、ジャンピングが起こりやすいようにします。
  4. 蒸らしの時間は正確に計ります。砂時計やキッチンタイマーなどを使い、BOPのタイプは3分、OPなら5分計ります。
  5. 紅茶をティーボウルに移します。テイスティングカップを用いる場合には、茶器を傾けて抽出します。
  6. すると、しっかりと紅茶液を抽出できます。
  7. 残った茶がらも、カップの蓋の上にのせて比較します。

◆テイスティング

①水色を見る

最初に水色を見ます。色を見やすいよう、テイスティングカップは白いティーボウルが基本となります。専用の道具を用いない場合には、ティーカップは白色を用いてください。照明もできるだけ蛍光灯の下ではなく、日の光の下で行いましょう。

Africa Studio/Shutterstock.com

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②香りを利く

次に紅茶の命でもある香りを利きます。花や果物のような香りが中心ですが、それ以外の要素もからんでいます。香りの強弱についても意識しましょう。

③味をみる

最後にをみます。味わいを左右する「渋み」、とくにその強弱を意識します。甘みや苦みなども感じてみましょう。

大勢でテイスティングを行う場合には、カップに直接口をつけることができないため、このようにスプーンを用います。家庭で一人で行う場合には、カップからそのまま口にしてもかまいません。

 水色と渋みの一見表

テイスティング3

 

 

テイスティングをもっと身近に

ティールームで開催されるティーテイスティング会に参加する

一人でじっくり行うテイスティングも魅力的ですが、五感で味わう場合には人により感覚が異なり、他の人の意見も聞きたい場合もあるでしょう。またたくさんの茶葉をテイスティングしたいと思った時には、一人ではやはり限りがあります。

そのような際には、ティールームや紅茶メーカーが開催するテイスティング会に参加してみるのがおすすめです。統一されたメーカーの様々な茶葉を数多くテイスティングでき、さらに職業として紅茶を鑑定しているテイスターの手ほどきを受けることもでき、テイスティングの技術のさらなる向上が期待できます。

テイスティングセットを利用する

ティーテイスティングに用いる茶葉の種類には決まりはなく、お好みの茶葉をブランド別に揃えたり、ブランドを統一して様々な茶葉を試す、同じ茶葉を季節ごとに比較しクオリティーシーズンの味わいを確かめるなど、自由に実践できるのが魅力です。

  • 5〜6種類ほどのアールグレイをテイスティングする
  • ダージリンを季節ごとにテイスティングする・・・など

最初にテイスティングする際に何を揃えたらいいか分からない場合には、ティーテイスティングのセットとして茶葉が用意されているもの利用することもできます。テイスティングする際の茶葉の愉しみ方や注目ポイントなどが記載されているのも、このようなセットを活用する利点です。

 

 

Lesson18のまとめ

確認テストで学習した内容を確認し、知識を定着させましょう。
ここからLesson18の確認問題を行うことができます。