Lesson19-1 マイ・ブレンドを探す

ブレンドの重要性

トーマス・リプトンによる新しい「ブレンド」

19世紀後半、トーマス・リプトンは、地域やその水質にあわせたオリジナルのブレンドティーを作り出して販売します。

それまでのブレンドは、あくまでも一定の品質を維持し、かつ価格を安定化させるために行われていたもので、一年中販売することを目的としたものでしたので、リプトンは「ブレンド」の意義を大きく変えたと言っても過言ではありません。

リプトンは、プロのブレンダーを雇って育て、今日に残るようなブレンドを残すことに成功しました。以後、それぞれのメーカーは競って自慢のハウスブレンドを生み出していきます。

紅茶ブランドがしのぎを削るティーブレンド

茶葉は自然の恵みによって出来上がる「農産物」であり、同じ茶園でも、季節や日々の天候、土壌や手入れの方法などさまざまな影響を受け、恒常的に同じ品質を保つことはできません。

製品としての品質を維持するためには、複数の茶園の茶葉を入手してそれらをブレンドすることにより、一定の品質と価格を保てる茶を作りあげることが必要となります。

また、リプトンが始めたように、水質や人々の感じ方も国や地域により異なるため、その場所で最も愛される茶を作るためには、+αのブレンド技術も必要となってきました。

今日では、メーカーはもちろんのこと、カフェなどでもさまざまな紅茶が生みだされていますが、その配合比率や技術はトップシークレットです。

 

ティーブレンドという技術

Diana Taliun/Shutterstock.com

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ティーブレンダー

ブレンドは、ティーブレンダーという専門の訓練を受けた職人が行います。国際的な統一資格があるわけではありませんが、豊富な知識と長年の経験と修練が必要となる職業です。ティーブレンダーの仕事はブレンドだけではなく、茶葉の比較審査から買い付けや茶園の人々の指導など、さまざまな活躍をします。

目的に合わせたティーブレンド

茶葉のブレンドの本来の目的は、一定の品質を維持することですが、各メーカーではオリジナルの名前を付けた紅茶を作っています。

例えば、朝食に合うようにブレンドされた「ブレックファストティー」は、ミルクティーとしておいしく飲めるような配合がなされています。また「ロイヤルブレンド」は、イギリス王室をイメージしてブレンドされたもので、1902年にエドワードⅦ世の即位を記念して作られたブレンドティーと言われます。

 

マイブレンドティーを作ろう

ティーブレンダーのような職人としての長年の専門の知識や技術などがなくても、いままで学習してきた知識を組み合わせることで、茶葉の特性を考えながら自分で好みのブレンドを作ることはできます。

Wallenrock/Shutterstock.com

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最初はテキストのレシピを見ながらスタートし、慣れてきたら「マイ・ブレンド」にチャレンジしてみましょう。配合割合などをこまめに記録しておくようにして、実際にテイスティングをしながら進めてみてください。

あなただけの一杯ができたら、ぜひお友だちを招待してティー・パーティーでお披露目しましょう。また相手の好みやシーンに合わせたブレンドティーは、プレゼントにも最適です。